11月の標語
「 偶像の正体は? 」
(イザヤ書44章17節)
モーセの十戒の第一戒は《あなたには、わたしをおいてほかに神があってはならない》です。旧約時代の人たちには月や太陽などを礼拝する習慣がありましたが、十戒は「神以外のものを神としてはいけない」と命令しています。礼拝の対象は形のあるものだけではありません。地位や名誉、慣習などを崇めることも他の神を拝むことと同じなのです。
続く第二戒は《あなたはいかなる像も造ってはならない》。神を見たことがない私たちが、神を象徴する像を造りだすことはできません。しかし、像を造って、それを拝んで安心を得ようとする人間の弱さを、神はご存知でした。だからこそ、このような戒めを与えたのです。
そしてイザヤ書は、木を燃やして体を温め、パンを焼き、残りの木で自分のための偶像を造り「お救いください、あなたはわたしの神」と、戒めに背き、ひれ伏して拝む人間の姿を描いています。
体を温め、腹を満たし、偶像を造りひれ伏す。その偶像の正体は彼自身、私たち自身そのものではないでしょうか。